きっとここで君に出会うために



でも、



そうかーって思った。




なんだか三日月も悪くないなって思った。


あたしって意外と単純だったのね。



「あんた馬鹿なくせに意外といいこと言うじゃん」


「何、馬鹿!?それって褒めてんの?けなしてんの?」



慌てたように、少し不機嫌そうに頬を膨らます。


夜なんだからさぁ、そんなおっきな声だすなよ。


まぁ、あたしも夜に歌ってるから人のこと言えないけど。



「褒めてんの」


「そっかー。褒めてたのか。照れるねー」



やっぱ馬鹿だ。






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