きっとここで君に出会うために
7
家まであとちょっとというところで気づいた。
家の前に誰かいることに。
暗くてそれが誰なのかはわからない。
自然と手に力が入る。
だんだんと近づいて行ってうっすらと顔が見えてきた。
「‥‥お母さん」
「響!!」
あたしの小さな呟きに気づいたみたいで、
駆け寄ってくる。
「どこ行ってたの?家に帰ったら誰もいないし、心配したんだから」
「ごめんなさい」
お母さんがこんなに早く帰ってくるなんて思わなかった。
異常なまでに心配する。
それが重い。
あたしだってもう高校生だ。
その心配は重いんだよ、お母さん。