太陽はアイスバーをくれた
 

その次の日から一週間ほど、七月になったというのに雨が降った。
あまりの豪雨に自転車は使えないので結衣はバスで通学をしていた。
 

 
「はあ……」
 

 
もちろん結衣はこの一週間哲太に一度も会っていない。
あれだけ毎日通っていたのだから、なんだか寂しいと感じるのは気のせいではなかった。
 

改めて夕方学校の帰り道にあの川に行くことだけが自分と哲太を繋ぐものだったのだと思い知った。
 

気分が晴れないのを湿気の多い蒸し暑さのせいにしてしまう自分がなんだかおかしくて笑えた。
 

ああ、好きなのかもしれない。
いや、もう好きなのだ、きっと。
 

自覚してみると、なんだかとてもすっきりした気持ちになった。
そうだ、今日の帰り道には傘をさしてあの川へ行ってみよう。
もしかしたら居るかもしれない。
 

学校を終えると結衣は急いで川へ行った。
雨はだんだんと激しくなってゆく。
 

 
「……」
 

 
哲太は居なかった。
 

 
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