メルヘン侍
「ここは、あっしの必笑ダンコ剣でー」

『うん。そこまで無意味に丸々パクルとすがすがしいね』


「えへへ」

『荒らし、誹謗、中傷かな 今日は』

お隠居は3ついっぺんにお題を出してしまったことを少し後悔した。

だってメルヘン侍にとって今回は初めての実践。

いけるのか? メルヘンさん?



「よーし・・・




  ・
  ・
  ・




あの・・・

こういう場合は

どこから切り始めたらいいでげしょ?」


『す、好きなところから』


「はあ・・・好きなところ」

お手並み拝見じゃなぁ。

ご隠居は、メガネをかけ直し、

前回の爆発力が本物か

はたまたフェイクか見極めようと

目をパッと見開き

息をのんだ。



メルヘン侍の顔が真剣みを帯び


切なさと、わびしさの同居する

なんともいえない表情になり

グッと腰を下ろした。


メルヘンさんの足下から

わらじと土がこすれ合う

ジリッという音が鳴り



苺町に、

風が吹いた。




「ご隠居!」



『な、なんじゃ』



「これ、通報ボタンおしたほうが


はやくないっすか?


平和的だしー」


『うん。』


♪メメ メルヘン メメメ メルヘン


前回の爆発力が剛の剣だとすると

今日の剣は、まさに柔の剣・・・

ご隠居はメルヘン侍の無限の可能性に


震えた。


♪メメ メルヘン メメメ メルヘン この世はなんとかパラダイス♪

♪メルヘーンざぁーむーらーい 今日もキリリと参ります♪

♪全然いくさにゃ 向いてないけど♪

「あっ 通報ボタンだれか押してる」

『野いちご侍かな』

「野いちご・・・侍。」



つづく。 この世に悪がはびこる限り。 たぶん。

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