重なる拳~夕陽の約束~
「ところで…雄輔…」





「ん?どした?マジな顔してよ…」





「お前さぁまだあの事引きずってんのかぁ?」





「ん…何でだ?」






「いや…この前白仙で滝沢の兄貴にナイフ突き立てられたときお前…」






「ちげぇよ!!あれは単に…」






「無理すんなよ!!」






「うるせぇ!!そんなくだらねぇ話するなら俺、帰る!!」




俺は逃げるように店を飛び出した…







4月の夜はまだ少し肌寒くて…




今の俺と似ていた…





暗くて…冷たい…俺の心に…







俺は逃げるように…アパート目掛けて走った…
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