恋の音色
小さく、彼方へ消えていく飛行機を、ただただ、涙を見せる事なく見送った……。


そして、その後ナツトにあげる筈だった、クリスマスプレゼントを私は捨てたんだー…。


開けられる事のなかったプレゼントは、海に波紋を広めながら沈んでいった……。




**************


「ー…でも、どうしていきなり?連絡くれれば迎えに行ったのに」


私はナツトにコーヒーを差し出す。
…ミルクをたっぷり入れた。


「ビックリさせたくてさ〜♪…ん!甘くて美味しい!」


コーヒーを一口飲んだナツトは嬉しそうに口角を上げる。



ー…っ。

この笑顔、変わってない…。
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