恋の音色
「ーふぇ!?」


私の体はナツトによって、宙に持ち上げられていた。

つまり、お姫様抱っこという事。


「…サエ、熱がある。」


と、私をナツトはベッドに寝かせてくれた。

ベッドに下ろされた時、不意にナツトの前髪が私のオデコにふれた。


「ユリア、移ったらいけないから、もう部屋に戻った方がいい」


ナツトがユリアの肩に手を置き、伝える。


ユリアは一瞬不機嫌な表情になったが、すぐにいつもの笑顔に戻り、

「分かったわ。夜はもちろんユリアの部屋に来てよ♪」


と、意味深な言葉を口にした。
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