恋の音色
いつも三人一緒に居て当たり前。
季節の変わり目を三人で感じて当たり前…。

それ位、いつも一緒に居たんだ。


しかし、三人一緒の時間はあっという間に過ぎていった…。



「嫌!嫌っ!ナツト、アメリカになんて行かないで!!ユリアの側に居てよぉ…!!」



ナツトのアメリカへの留学が決まったのは、十七歳の冬の事…。



泣きじゃくって引き止めようとするユリア…。


「…絶対帰って来るから」


そんなユリアを穏やか表情でなだめるナツト。



私は…?

私はナツトに何を伝えたいの…?


そして私は、精一杯の作り笑顔で、


「立派になって帰って来て下さい…」


と、気持ちを伝えた…。


『行かないで』って気持ちを隠して…。
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