BLACK BLEED
だから、今日こそはブラックより早く会社に来ようと思っていたらしい。
階段を一生懸命駆け上がり、部屋に着いた。
ドアを開けると、いつも座っている席にブラックの姿はなかった。
「やった…ブラックさんより早く着いた」
息を切らしながら呟く。
部屋に入って暫くして、足音が聞こえてきた。
おそらく、やって来るのはブラック。
一週間で仕事はたったの2件。
しかも、ブラックだけで片付いてしまうぐらいのモノ。
急用だったらもっと急いで来る。
ゆっくりした感じだと、依頼人ではない。