ストロング・マン


カーテンを開けると眩しい光が差し込んできた。今日は晴天のようだ。


「うわ、酷い顔。冷やせばなんとかなるかな。」


鏡に映った自分の顔は、それはもう酷いものだった。
でも、それに反して心はまだ少し傷が痛むけれど、とても穏やかだ。

今までの自分に後悔して泣くのは昨日で終わり。今日からは新しい私で一からスタートだ。


冷やすのに時間がかかってしまい、いつもならご飯を食べ終わる時間になっていた。
早めに目覚ましをかけておいて正解だった。今日はコンビニで朝ごはんを調達して、会社で食べることにしよう。


お気に入りのパンツにお気に入りのジャケットを羽織り、家を出た。
辛いことや悲しいことがあっても、私の周りは動いている。止まっている暇はないから。
少しでも動き出すきっかけになるようにという願いも込めて、今日はすべてお気に入りの服で統一した。




会社に着いて、パソコンの電源を入れて起動を待っている間にコンビニで買ってきたサンドイッチの封を開ける。
最近は食パンの耳がついた少しリッチなサンドイッチが好きで、サンドイッチを買うときは必ずこれにしている。
やっぱり食パンがしっとりしていてすごく美味しい。

今日も一日頑張ろう。






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