ストロング・マン


文字通り耳を疑うような言葉のせいで、頭の中に言われたことが入ってこない。
こいつ、正気?


「え?ちょっと、冗談やめてよ。」


すると修也は私がずんずん歩いてあいていた距離を長い脚を使ってすぐに詰め寄った。
あっけにとられてポカンとした私を見下ろして不敵に微笑んだ。


「まあせいぜい動揺しとけよ。じゃあな。
来週の金曜は空けとくから。」


修也の言葉にますますあっけにとられて身動き取れない私を、いつかのように置き去り、当の本人は颯爽と地下へ続く階段へ降りていった。
何、なんなの?今日私がプチ嫌がらせしたからその仕返し?
私の慌てふためく顔を見たかっただけ?


・・・修也のことだ、その辺のくだらない理由だろう。


なんだか修也のせいでぐったりしてしまった。明日の夜中も仕事だっていうのに。
今日は久しぶりに湯船に浸かって、お気に入りの入浴剤を入れて、早めに寝よう・・・


< 46 / 87 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop