ストロング・マン
自販機で修也用のスポーツドリンクと自分用のお茶を買って、自分のペットボトルを首に当てて冷やす。
あー気持ちいい。火照った身体が冷やされていくのが分かる。
それでもドキドキする鼓動はなかなかおさまらなくて。少し時間をかけてから修也のところに戻った。
「遅かったじゃん。大丈夫か?」
「うん、平気。ただの立ちくらみだし。飲んだら次のやつ行こうか。」
少し心臓がドキドキしてたけど、これは運動したからってことにした。それからもアスレチックをやりまくって、日が暮れそうになってきたので帰ろうということになった。
お互いジャージ着てくればよかったねというほどに汗だくだった。修也は来るときに来ていたシャツを脱いで半袖になっていて、私の少し前を歩いていたから筋肉質な腕が目に入ってきた。
もう一度、触ってみたい。
あたしってば何を考えてるんだろう。支えてもらっただけだっていうのに、すごく意識してしまう自分が恥ずかしいし、その思考はいくらなんでも飛びすぎだと思う。
なんかもう自分のことが分からなくてうつむいていると、ぐいっと手を引かれた。
「何下向いてんの。今度は転ぶよ。」
触れたかった腕とは違ったけど、手も私と違ってがっしりとした手だった。高校の頃からこんなだったのかな。あのときは全然そんな風に見てなかったな。
今日で分かったことがある。私、修也にドキドキしてる。