バレンタインデーの憂鬱
「ふーん」
ニッと、意味深な笑みを浮かべたあと、
「帰るわ」
と、スタスタ玄関に向かった。
ほんとマイペース……あ。B型さんか、コイツも。
彰を追いかけて、あたしも玄関に向かった。
「クリームシチュー」
『え?』
「お前の、好きなんだよ。また作って?」
あぁ、なんか今の彰、超可愛いかも。きゅんってなった。
『うんっ。また食べにおいで』
あたしがそう返すと、ニコリと笑って出ていった。