バレンタインデーの憂鬱



あたしがあきらかに意味がわからないといった顔をすると、優花は呆れた声で、



「あーぁ。紗也がこんなんじゃ、彰くんも大変だね」



と、呟いた。



『大変?』



なんか、迷惑かけてる?



「……はあ〜。可哀想に」



おもいっきりため息をつく優花。



『ねぇ、ホント意味わかんないんだけど』

「本人に聞いてみれば?」

『彰に?』

「確実に機嫌を損ねるだろうけど」



そう言うと、



「じゃああたしは勝負に出てくる!」

『あ、うん。頑張って?』



隣のクラスへと、スタスタと行ってしまった。






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