バレンタインデーの憂鬱
放課後──…
「いっぱい種類あるねぇ♪」
『あ、これ可愛い!』
あたしたちは、学校の近くにあるデパートにやって来た。
近くにこういうところがあると、ホントに便利。
デパートはバレンタイン一色で、いろいろな種類のチョコレートが所狭しと並んでいた。
『手作り?』
「うんっ!紗也は?」
『あたしもー』
もともとお菓子作りが好きなあたし。
今回、近所の子達に配るのだって、あげたいから、というより、作りたいから、と言ったほうが正しいかも。
ちっちゃい子って素直だから、感想をハッキリ率直に言ってくれるし、嘘をつかないから、参考になるし。純粋に、喜んでる顔を見るのが好きってのもある。
作るって決めたからには、中途半端にはしないんだからっ!
そう意気込んで、優花と一緒に材料とラッピング素材を購入して、帰宅した。