バレンタインデーの憂鬱



「別にいいよ。今すぐ付き合え、なんて言わないし」



なんかいろいろ、矛盾してない?



『へ?』

「紗也が100%、俺が好きってわけじゃないことはわかってるし。ここまで来たら、もうちょっとくらい我慢してみる。で、俺に惚れさせてやるから」



あたしの目を見て、真っ直ぐとそう宣言した彰。


その言葉に、心臓がせわしなく動き始めた。



「必ず俺に夢中にさせてやる。俺しか見えないように」



するり、とあたしの髪をすく。


それだけで、ただでさえバクバクいってるのに、さらに激しく動くあたしの心臓。



「まぁ、でも。その前に俺の我慢が爆発したら……黙って抱かれて?」

『はあっ!?』



突然なんつーことをっ…





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