真夏の果実
「俺そろそろ帰るわ。」
そう柊が言ったので時計に目をやると、もう6時だった。
「えっ!もう6時?」
こんなに時間が経ってるなんて思わなかった。
そして柊の帰ると言った言葉を聞き急に寂しくなった。
泰之と別れてから、一人で住むには広すぎるこの部屋に一人で居るのは嫌いだった。
「ねぇ、朝ごはん食べてかない?」
気付くとそう口にしていた。
「いいのか?」
柊は驚いているが、言った自分も驚いている。
何でそんなこと言ったのかはよく分からない。
ただ、柊ともう少し一緒に居たかった。