真夏の果実
しばらく話し、ふと時計を見ると6時過ぎ。
帰ろうとすると双葉に引き留められ、朝飯を作ってくれた。
「ご馳走さま。双葉って料理上手いんだな。」
『まあ一人暮らししてるからね。』
「俺も一人暮らしだけど料理全然できねぇ。」
『ご飯どうしてるの?』
「コンビニとかレトルトばっか。」
『うわ、体に悪いよ。』
「だって作れねぇもん。」
『作ってくれる彼女とかいないの?』
「いないからコンビニなんだよ。」
『あたしが作ってあげよっか?』
「えっ!?」
『ウソだよ。』
「なんだよ焦るだろ。」
『ごめんごめん。気が向いたら作るよ。』
「言ったな?楽しみにしとくから」
この何気ない会話だが、双葉が俺に少し心を開いたような気がして嬉しくなった。