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雅の過去
――俺は自分の家が嫌いだった。ヤクザをする親父が、家が嫌いだった。


俺は中学に入ってから荒れ出した。

学校には行かなくなり、家には帰らなくなった。

親や学校は何も言わなかった。

だから俺は、毎日繁華街に行っては喧嘩してた。

ただ何か得体の知れないものから逃げてた。

その何かから身を守るようにして、俺のズボンのポケットには、常にサバイバルナイフが息を潜めてた。



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