0時43分
それからあたしと将人は適当に授業を受け、HRが終わったと同時に教室を出た。
「こっち」
将人は校門の方には行かず、自転車置き場に行き、ポツンと離れた場所に停めてあるバイクにまたがった。
「これ、将人の?」
それは真っ黒のビッグスクーター。
「おう。じゃあメットかぶって」
将人はあたしにヘルメットを渡し、後ろに乗るように言った。
「しっかり捕まっとけよ」
「うん」
初めてのバイク。あたしはもう、龍平たちの事は忘れていた。