0時43分

それからあたしと将人は適当に授業を受け、HRが終わったと同時に教室を出た。


「こっち」

将人は校門の方には行かず、自転車置き場に行き、ポツンと離れた場所に停めてあるバイクにまたがった。

「これ、将人の?」

それは真っ黒のビッグスクーター。

「おう。じゃあメットかぶって」

将人はあたしにヘルメットを渡し、後ろに乗るように言った。

「しっかり捕まっとけよ」

「うん」


初めてのバイク。あたしはもう、龍平たちの事は忘れていた。

< 166 / 309 >

この作品をシェア

pagetop