0時43分
狂犬

それからあたしのベッドは白ソファーじゃなくて、龍平のベッドになった。龍平は毎日あたしを抱きしめ、まるであたしは抱き枕のような存在だった。それでも肌寒くなってきたこの時期には、龍平の体温が心地よく感じ、眠りも深かった。



11月。

あたしはいつものように屋上にいた。今日は将人は寝坊の為遅れてくると携帯にメールがあった。




11月独特の灰色の空を見上げ思う。


平和だなぁ…

と。



だからあたしは気付かなかった。屋上の扉がスーッと音も立てずに開いたのを。


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