0時43分
その日から銀次は公園に毎日現れ、あたしの自転車の練習に付き合ってくれた。
銀次は7歳だという事だけを言い、それ以上自分に関しての事を言う事はなかった。
「羽流、真っ直ぐ前見ろ」
「わかった」
何回も何回も転んで、何回も何回も怪我をした。だけど銀次はいつもズボンのポケットから絆創膏を出し、怪我のところに貼ってくれた。銀次はあたしの大切な友達になっていた。いつも無表情で、言葉はぶっきらぼうだけど、それでも毎日一緒に練習してくれた。
「羽流!!真っ直ぐ前見ろ!!」
「う、うん!!」
「羽流!!こげてる!!1人でこげてる!!」