0時43分

ふと時計を見ると1時をさしていた。それと同時に玄関の扉が開く音が聞こえ、無意識の内にあたしは立ち上がり、玄関の方へと駆け出した。


そこには特攻服を身に纏った雅と虎太郎。真っ白だった特攻服には、ところどころ血が付いていて、赤黒く汚れていた。そしてその後ろには真っ黒の、総長だけが着る事を許されるその服を身に纏った龍平がいた。


「…おかえり」


あたしの声は震えていたと思う。ちゃんと言えたのだろうか。あたしは、ちゃんと迎えてあげられたのだろうか。


「ただいま」


だけどそんな不安は雅の声を聞くと、すぐに消えた。


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