0時43分
「ちょっと遅なってしもたなぁ」
虎太郎はそう言うと、あたしの頭をクシャっと撫で、
「待っててくれてありがとうな」
少し口端が腫れた虎太郎がにっこり笑った。
あたしは声を上げて泣いた。子どもみたいに、その場に立ち尽くしたまま。
そんなあたしを抱きしめた。温もりでわかる。ニオイでわかる。それが龍平だって。
「…ウッ……りゅ、へ…」
そのままあたしの肩を抱き、龍平は黒ソファーにあたしを座らせ、自分もその隣に座った。