0時43分
「何?あたしもう帰りたいんだけど」

イライラしながら、それでもどこか無感情に言っているあたしの声。

あぁ、これがあたしなんだ、まだ生きてるんだって否応なしに気付かされる。

それより早く目を逸らしたい。あたしの顔見ないで…

金縛りにあったかのように動けない、目を逸らせない。


「この部屋に一度入った者の命は俺らが預かる」

てっきり睨んでいる男が言ったのかと思ったけど、実際言葉を発したのはあの穏やかな男。でも今の表情、声は穏やかではなく、真剣な顔で低い声だった。

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