君と野球とあたし
入学式。



一年生は、ひとりずつ名前を呼ばれ、
その場に起立する。



コンタクトを忘れ、めがねを忘れた俺には、

ひとりひとりの顔なんて見えなかった。




しかし、



その中に、




『加藤由依』
『はい』



という声が聞こえていたはずだった。
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