春夏秋冬
ビクッ
顔をゆっくりと上げたショウタは
能面だった

「じゃあセリは」
「待たせてる辛さがわかるのかよ?」
「俺だって好きでこんなに仕事してる訳じゃない」

……
「俺は、…遅くに産まれた一人っ子だから、少し前から家のローン返済の手伝いしろって言われてる」
「二十歳になってもいないのにこれから俺の人生強制されてるんだぜ?」
「セリには分かるのかよ、産まれた時から、決まりきってる人生が」
< 55 / 63 >

この作品をシェア

pagetop