加納欄の研修旅行 シリーズ7
あたしは、高遠先輩から、少し離れようとした。

「離れるなよ。寒いだろ」

「あ、あの、でも……」

「なんだよ。欄緊張してるのか?」

「え?いえ、あの。なんか、こう」


なんで?


なんだ?この気持ちは。


「欄」

「は、ハイ?」

「俺を見ろ」

「…………」

「顔上げて、俺を見ろ」

あたしは、恐る恐る高遠先輩を見た。

高遠先輩と、目が合った。

「俺とキスしたい?」


!!!!!!


「高遠先輩とキス!いいえ!」

「お前は、嫌なことに対しては即答だな」

「あ、ごめんなさい」

「いや、謝らなくてもいいけどさ。何も緊張することなんてないだろ?」

「はい」

あたしは、いつの間にか、高遠先輩の胸の中で寝てしまった。




「欄、起きろ」

「ん~」

「欄、朝だぞ。帰るぞ」

その言葉で目が覚めた。

「起きたか?」

「お、おはようございます!すみませんっ!やっぱり、寝ちゃってました!」

「死んでなかったな」

「(^O^)」

「ヨダレたれてるぞ」

あたしは、慌てて口をぬぐった。

高遠先輩が、優しく笑った。

少し恥ずかしかった。

「いい天気だ。帰るぞ」

「はい」

あたし達が、ホテルに戻ると、やっぱり大変なことになっていて、研修を教えた人達が、探しに行こうとしていたところだった。

あたし達は、謝り、そそくさと、研修場所を後にした。

帰りの電車は、疲れがたまってて、熟睡した。

高遠先輩は、1度も起きなかった。

もしかしたら、高遠先輩は、寝なかったのかもしれない。

この事は、秘密になった。


南署の連中に知られたら……(>_<)


特に、課長には(-.-;)


だいたい、研修事態は、何事もなく終わったんだし。

プライベートの時間を報告する義務はナイ。


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