加納欄の研修旅行 シリーズ7
と、軽く受け流し、署を出た。




A県B市にたどり着いた。

そこから車で1時間、揺られ揺られて、目的地のC村に着いた。

1歩踏み出せば、白銀の世界だった。


うひゃあ~w(゚o゚)w


寒~い。


「気持ちいぃ↑テンション上がるぅ」

嫌いな寒さじゃなかった。

「高遠先輩、スキー日和ですね」

言った瞬間に口をふさがれた。

「バカ。まだテンションあげるな」

今日お世話になる手津川署の空中さんが、笑いながら話しかけてきた。

「東京は、雪降ってないですか?夜は天気が悪くなりますから、時間があれば研修終わった後にでも楽しんで下さい。研修所の裏に滑れる場所がありますから」

「すみませぇん」


聞かれてた。


いちをは、研修がメインだもんね。

研修場所に着いたのは朝の8時30分。

9時からは、講義が始まる。

昼食をはさんで、午後からは、武術の講義だ。武術と言っても、柔道と、剣道なんだけど。

あたしは、両方とも苦手だった。

午前中の講義は高遠先輩に任せる事になってる。

いっつも先輩達の下についてるあたしが、何の講義が出来ると言うのだ。

まぁ、今回呼ばれたのも、午後の講義で呼ばれたようなものだろう。

頭使うよりは、楽だけどね。

研修場所に着いて、10分後には高遠先輩は講師として教壇に立っていた。

高遠先輩は、普段の素行の悪い態度とは180度違う、マニュアル通りの講義をしていた。

それを聞いていたあたしは、頭が痛くなっていた。

そして、時折、笑いもとるのである。

詐欺師になれるような気がした。

さらに、高遠先輩は、12時まで講義をする予定なのに、わざと30分前に、「これで、私の講義は、終わりになります。慣れてないもので、早く終わっちゃいましたね」と、わざと、空中さんに、話した。

空中さんも、「では、早めの昼食にしますか」と、言った。

お昼ご飯は、仕出料理を用意してくれていた。

あたしは、夜の宴会の楽しみ分と午後から体を動かす為に、お弁当をあまり食べないでおいた。

高遠先輩は、研修にきた女性刑事やら、巡査達に囲まれてご飯を食べていた。


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