加納欄の研修旅行 シリーズ7
「あ、あれは、ですね。柔道技に持っていくより、お腹に隙があったし、私の身長で永森刑事犯人を投げ飛ばすよりは、蹴りを入れた方が、逮捕しやすかったので」

あたしは、蹴りを入れたいきさつを話した。

「わかりました」

永森刑事は、納得したのか、また、男性刑事と組手を始めた。

その後は、特に何事もなく進んだ。

「加納刑事、私と組手して下さい」

先程の、身長差がありすぎた、男性刑事が、言ってきた。

「……いいですよ」

「ちゃんと、柔道でお願いしますよ。相手の女性刑事が、技が決めれないから、さっきから柔道以外の方法しか、とってこないんですよ、何だかスッキリしなくて」

「……そうですよね。ただ、あなたと彼女の差があまりにあったので、アドバイスしただけですが」

そう言って、皆が見守る中、あたしは、男性刑事を投げ飛ばした。

投げられた刑事は、茫然としていた。

そして、講義が終わった。

空中さんが、近寄って来た。

「ご苦労様でした。疲れたでしょう」

「いえ、大丈夫です」


だって、この後は宴会だもんねぇ(^O^)


「夕飯の前に、お風呂でもいかがですか?天然温泉ですから」

「ありがとうございます」


お~、温泉。


至れり尽くせり。


空中さんは、どこかへ行ってしまった。

「少しは、スッキリしたか?」

高遠先輩が、来た。

「(^O^)v」

「あの初っぱなの蹴りは、反則だろう」

「そうですか?高遠先輩だって、状況判断の指示だしたじゃないですか」

「ああ言わなきゃ、おさまりがつかなかったろうが」

「そしたら、今度は柔道で叩きのめすつもりでいましたから」

「……………」

「いいじゃないですか。役目は終わったんですから。それより、温泉と宴会ですよ、汗かいたから温泉入ってきちゃいますね」

あたしは、おどりながら、温泉に入って浴衣になって戻って来た。

高遠先輩も、浴衣になって部屋から出てきた。

「温泉入ってたんですか?」

「いや、後で入る」

「楽しみですねぇ」

「そんなにやりたいのか?」

「はい」

そう言いながら、指定された部屋へ入った。


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