【短編集】シロクロ。
チョコが好き。
甘いにおいの、あなたはきっと・・。
『チョコが好き。』
大好きなチョコが、口の中で、溶けていく。
優しいあなたがくれるキスのよう。
しあわせな瞬間。
だけど、あなたは怒った顔。
「甘いの嫌いだって、言ってんだろ?
このままじゃっ//」
ふふ。
顔、真っ赤。
意地悪したいかも。
「このままじゃ、何?」
「・・っ。キスできねぇだろ///」
「なんで?
いいじゃん。しよ?」
真っ赤な顔に追い討ちかけるよう、誘ってみる。
「ばっ///おまっ・・//」
ふふ。
言えてない。
あははは。
「おいっ。」
笑いがとまらない私を呼ぶ、ちょっと低めな声。
あっ、かっこいい。
「んっ。ちゅっ。」
顔あげてすぐに降ってきた、可愛いキスが大人のキスに変わって・・。
「やっぱ、チョコの味する。最悪。」
「えー?私は、好き。」
だって、チョコが好きなのは。
文句言いつつも、嬉しそうに笑うからだよ?
甘いあなたの罠にはまったから。
チョコを食べながら、待ってるの。
優しい毒を、体に刻みこんでくれるのを。