Princess&Dragon
今日は何だかすんげぇ混んでた。
「あいたっ」
あ…姫ちゃん。
「大丈夫?」
「あ、大丈夫です」
目の前で見ると姫ちゃんはすんごいかわいくて、ついつい―…
「「かわいい」」
って声に出して言っちゃった。
「「え?」」
ってか俺かわいいって言われた?
「同じ車両だよね?」
「え、知ってんの!!??」
「うんいつもかわいいなぁって思って」
神様、お母様。
今日だけ俺をこの顔に生んでくれて感謝します。
『かわいい』って言葉
いつも言われたら嫌なのに、
姫ちゃんに言われたら嬉しいんだ。
「名前、何ていうの?」
「え?」
「名前」
あっ…気づいた途端言いたくないと思った。
だって俺の名前、顔と漢字合ってないもん。
「竜也…」
「へぇ何か予想通り」
「…。そっちは?」
「あたしは姫希」
驚いた。
だって勝手に姫ちゃんって呼んでたのに本当に姫ちゃんなんだもん。