俺サマ後輩×天然先輩
「は?何が心配させんな、だよ!俺の女とってんじゃねぇよ…!」
拓巳が立ち上がりながら悠斗を睨む。
こんな拓巳初めて見た…
「理央は俺のですから。先輩手出さないでくださいね?」
悠斗は余裕の表情で拓巳を挑発する。
「行くぞ」
悠斗に腕を掴まれ入り口に引っ張られる…
「…まって」
あたしは悠斗の腕を優しく引っ張った。
悠斗は不思議そうな顔をしたけれど
これで終わっちゃいけないと思った。
ちゃんと言わなきゃ…。
あたしは真っ直ぐ突っ立ている拓巳を見つめた。
「…拓巳ごめんなさい。あたし…悠斗が好きなの。だから…別れてほしい。…今までありがとう」
やっと言えたらまた涙が溢れた…。
…ごめんね、拓巳。
最低な女だね…?
「…わかったよ」
拓巳は俯いたまま呟いた。
「…ばいばい」
涙をふきながら拓巳にさよならを言った。
そして拓巳は
一瞬だけどあたしに笑顔をむけた…。
その笑顔に「幸せになれよ」と言われた気がした。