枯れた心に愛を
次の日
「今日は担任の川上先生が風邪で欠席の為、俺が変わりに出席を取りますよ」
「「「はぁ〜い」」」
桜木は人気者だ。
甘い顔にハスキーな声。
たまに魅せるなよっちい感じがたまらないらしい。
「矢口〜」
出席を取り終えた。
「今日の日直は…水澤?」
昔から運が悪い。
新品のランドセルにカラスの糞が落ちてくるし、晴れてたのに大雨になってびしょ濡れになるし、受験日に高熱だす。
「水澤?後で今日使う教材取りに来てください」
「はい」
「でゎ、今日は宜しくお願いしますね♪」
と、教室を後にした。
私は1限目の支度をしてから、教材を取りに行った。
「失礼します」
「はい、水澤。これ宜しく」
「はい」
「これとこれね♪」
昨日の事、無かったかのように淡々と話をしてくる。
「以上♪」
“はっ!?それだけ?”
「?どうした?」
「いいえ。失礼しました」
「はい。あっそぅだ…水澤、そのプリント、名前順だから間違わない様にね♪」
「はい」