枯れた心に愛を
【ミツキ】
夏休み前日
職員室の俺の席に羅葡の姿が。
あの一件から全然話をしてないから、緊張した。
「ど…どうした水澤?」
「進路先が決まったから、ここに置いておきます」
「あぁ」
顔色が悪いな。
「失礼しました」
「水澤」
「はい?」
もぅ笑ってくれないのか?
もぅ、俺は必要無い?
原因を作ったのは俺。
「何も無いなら行きますが?」
「昨日、ルミ…路可から電話が有った」
「はい?」
「婚約するんだってな…」
「まさおが決めたから」
「この経済学部も?」
進路調査表を見た。
冷たい表情。
昔の羅葡だ。
「何か問題でも?」
「いやっ。明日から夏休みだから、体に気を付けて」
「大丈夫ですよ。もぅ御世話になることは無いですから」
何で…?
「大検獲るんです。夏休み明けから必要以上にここに来ることは無いですから」