粉雪
雨の日
降りしきる雨が、あたしの体の熱を奪い去っていく。
それはまるで、あたしの代わり泣いてくれてるみたい。
それはまだ、あたしが高校卒業を控えた冬の出来事だった。
バイトが終わると、外は大雨。
傘なんか持ち合わせていないあたしは、
ずぶ濡れになっても気にせずに、いつも通りに歩いて帰っていた。
途中でコンビニを見つけたが、今更傘なんか差して、どーなるわけでもない。
コートを着ていても染み込んでくる雨水に、気持ち悪ささえ感じてしまう。
時折横を通る車のヘッドライトが、虚しくあたしを照らしていて。
一台の車が、あたしの横に付けて窓を開けた。
『…アンタ、何やってんの?』
「…歩いてるの。
見てわかんない?」
怪訝な表情で聞いてきた男に、足を止めることなくそれだけ言った。
『…ずぶ濡れじゃん。』
「…だから?」
いい加減ウザくなり、足を止めて男に顔を向けた。
だけど男は、関係ナシに言葉を掛ける。
『…乗れば?』
「ハァ?アンタ、頭おかしいんじゃない?
てゆーか、怪しすぎだし!」
黒のセダンは、車高を下げてスモークを張っている分、余計に重厚感を増していて。
こんな誘いに乗る馬鹿は居ないだろう。
『…別に、何かしようなんて考えてねぇよ。
今年の風邪は治りにくいって聞くし。
だから、乗れば?』
「…意味わかんないし。
あたしが風邪引こうが、野たれ死のうが、アンタには関係ないじゃん。」
それだけ言ってあたしは、また足を進めた。
それはまるで、あたしの代わり泣いてくれてるみたい。
それはまだ、あたしが高校卒業を控えた冬の出来事だった。
バイトが終わると、外は大雨。
傘なんか持ち合わせていないあたしは、
ずぶ濡れになっても気にせずに、いつも通りに歩いて帰っていた。
途中でコンビニを見つけたが、今更傘なんか差して、どーなるわけでもない。
コートを着ていても染み込んでくる雨水に、気持ち悪ささえ感じてしまう。
時折横を通る車のヘッドライトが、虚しくあたしを照らしていて。
一台の車が、あたしの横に付けて窓を開けた。
『…アンタ、何やってんの?』
「…歩いてるの。
見てわかんない?」
怪訝な表情で聞いてきた男に、足を止めることなくそれだけ言った。
『…ずぶ濡れじゃん。』
「…だから?」
いい加減ウザくなり、足を止めて男に顔を向けた。
だけど男は、関係ナシに言葉を掛ける。
『…乗れば?』
「ハァ?アンタ、頭おかしいんじゃない?
てゆーか、怪しすぎだし!」
黒のセダンは、車高を下げてスモークを張っている分、余計に重厚感を増していて。
こんな誘いに乗る馬鹿は居ないだろう。
『…別に、何かしようなんて考えてねぇよ。
今年の風邪は治りにくいって聞くし。
だから、乗れば?』
「…意味わかんないし。
あたしが風邪引こうが、野たれ死のうが、アンタには関係ないじゃん。」
それだけ言ってあたしは、また足を進めた。
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