粉雪
『待てって!
これで泣いてたら、最後の渡せないじゃん…。』
隼人は困ったように言いながら、あたしから時計を取り上げた。
そして代わりに、一番小さな箱を、あたしの手の平に乗せる。
『最後は誕生日な?
開けてみ?』
その箱を、ゆっくりと開けた。
「…嘘…!」
そこには、ダイヤの指輪が輝いていた。
波を打つような細身の土台に、大きなダイヤが一つと、
その左右に小さなダイヤが二つ。
『…ペアリングは出来ねぇけどな…。
ずっと、俺の女で居ろよ?』
「―――ッ!」
涙を堪えながら、何度も頷いた。
「…ありがと…!」
あたしが喜べば、隼人も喜んでくれる。
隼人の笑顔で、あたしも嬉しくなる。
そんな、関係だった。
あれから一切、子供の話はしていない。
だけどきっと、あたし達はお互いに、不安で仕方がなかったんだと思う。
あたしが笑っていれば…
あたしを笑わせていれば…
知らず知らずのうちに、あたし達はそんな風になっていた。
『…昔言ったの、覚えてる?
良い女は、良い物身に着けてないとダメだって。
ちーちゃん、すげぇ綺麗になったよ?』
「―――ッ!」
そう言いながら、あたしの左の薬指に指輪をはめ、キスをしてくれた。
まるで結婚式みたいで。
それは全部、隼人のおかげなんだよ。
『ちーちゃん、他の男に取られたら困るしね!(笑)』
「…馬鹿だね、隼人は…。」
そんなこと、あるわけないじゃん。
これからもずっと、あたしは隼人のだよ?
これで泣いてたら、最後の渡せないじゃん…。』
隼人は困ったように言いながら、あたしから時計を取り上げた。
そして代わりに、一番小さな箱を、あたしの手の平に乗せる。
『最後は誕生日な?
開けてみ?』
その箱を、ゆっくりと開けた。
「…嘘…!」
そこには、ダイヤの指輪が輝いていた。
波を打つような細身の土台に、大きなダイヤが一つと、
その左右に小さなダイヤが二つ。
『…ペアリングは出来ねぇけどな…。
ずっと、俺の女で居ろよ?』
「―――ッ!」
涙を堪えながら、何度も頷いた。
「…ありがと…!」
あたしが喜べば、隼人も喜んでくれる。
隼人の笑顔で、あたしも嬉しくなる。
そんな、関係だった。
あれから一切、子供の話はしていない。
だけどきっと、あたし達はお互いに、不安で仕方がなかったんだと思う。
あたしが笑っていれば…
あたしを笑わせていれば…
知らず知らずのうちに、あたし達はそんな風になっていた。
『…昔言ったの、覚えてる?
良い女は、良い物身に着けてないとダメだって。
ちーちゃん、すげぇ綺麗になったよ?』
「―――ッ!」
そう言いながら、あたしの左の薬指に指輪をはめ、キスをしてくれた。
まるで結婚式みたいで。
それは全部、隼人のおかげなんだよ。
『ちーちゃん、他の男に取られたら困るしね!(笑)』
「…馬鹿だね、隼人は…。」
そんなこと、あるわけないじゃん。
これからもずっと、あたしは隼人のだよ?