粉雪
『…心配しなくても、殺しゃしねぇよ。
アンタが借りた金は、闇金合わせて500だよな?
大分膨れ上がってるぞ?
どーすんだ?』
「―――ッ!」
500万もの借金を、闇金で?!
言葉を失うあたしの方も見ず、隼人は言葉を続けた。
『折角子供捨てて店まで畳んだのに、男に貢いで逃げられて。
アンタ、散々だな。』
『―――ッ!』
隼人は馬鹿にするようにハッと笑った。
瞬間、母親の顔色が変わった。
だけど次に出てきた言葉は、あたしの期待した言葉なんかじゃなくて。
『何でも言うこと聞くから!!
だからお願い!!
あたしだけは殺さないで!!』
「―――ッ!」
“こーゆー母親だ”
何度となく自分に言い聞かせてきたはずなのに、
怒りより悲しみの方が大きかった。
握り締める拳は痛くて、だけど傷ついた顔なんてしたくなくて。
あたしは真っ直ぐに、そのやりとりを見つめる。
『ふ~ん。
じゃあ、言う通りにしてもらうわ。』
そう言うと、隼人は母親と同じ位置まで目線を下げた。
『今後一切、借金はするな。
欲しけりゃ俺に言え!
まぁ、俺に借金したら、一生が地獄だろうけどな。』
『わかりました!!』
強い口調で言う母親に、隼人はニヤリと笑い、言葉を続けた。
『…オイオイ、話終わらせるなよ。
まだあるぞ?』
『―――ッ!』
その瞬間、一瞬安堵の表情を浮かべていた母親の顔が、再び強張る。
アンタが借りた金は、闇金合わせて500だよな?
大分膨れ上がってるぞ?
どーすんだ?』
「―――ッ!」
500万もの借金を、闇金で?!
言葉を失うあたしの方も見ず、隼人は言葉を続けた。
『折角子供捨てて店まで畳んだのに、男に貢いで逃げられて。
アンタ、散々だな。』
『―――ッ!』
隼人は馬鹿にするようにハッと笑った。
瞬間、母親の顔色が変わった。
だけど次に出てきた言葉は、あたしの期待した言葉なんかじゃなくて。
『何でも言うこと聞くから!!
だからお願い!!
あたしだけは殺さないで!!』
「―――ッ!」
“こーゆー母親だ”
何度となく自分に言い聞かせてきたはずなのに、
怒りより悲しみの方が大きかった。
握り締める拳は痛くて、だけど傷ついた顔なんてしたくなくて。
あたしは真っ直ぐに、そのやりとりを見つめる。
『ふ~ん。
じゃあ、言う通りにしてもらうわ。』
そう言うと、隼人は母親と同じ位置まで目線を下げた。
『今後一切、借金はするな。
欲しけりゃ俺に言え!
まぁ、俺に借金したら、一生が地獄だろうけどな。』
『わかりました!!』
強い口調で言う母親に、隼人はニヤリと笑い、言葉を続けた。
『…オイオイ、話終わらせるなよ。
まだあるぞ?』
『―――ッ!』
その瞬間、一瞬安堵の表情を浮かべていた母親の顔が、再び強張る。