粉雪
―――それからあたしが正社員になるはずだった季節を越え、暑苦しい夏を迎えた。
今日は久々に、隼人とゆっくり買い物をする時間が持てた。
「…どっちが良いと思う?」
気になった2枚のワンピを両手に持ち、鏡の前で自分にあてた。
『…両方買えば?』
「そんなこと言ってないじゃん!」
未だに、あたしが自分の物を隼人に買って貰う事はない。
そこまで頼ろうとは思わなかった。
だからなのか初めは強引に買おうとしていた隼人も、今は何も言わなくなっていた。
『…どっちでも良いじゃん。
てゆーか、何が違うの?』
「何で分かんないの?!
裾の広がりの違いとか、胸の開き具合とかだよ!!」
あたしの言葉に、隼人はため息をついた。
♪~♪~♪
楽しい時間を引き裂いたのは、隼人の仕事用の携帯の音だった。
―ピッ…
『―――ハイ~?
ハァ?これから?
それ、俺じゃないとダメ?
ハイハイ、わかりました~。』
どうやら、呼び出されたらしい。
電話を切った隼人は、申し訳なさそうにあたしに向き直る。
『ちーちゃん、ちょっとごめん!
すぐだから、行ってくるわ!
ちーちゃん買い物してろよ!
終わったらまた戻ってくるから!』
今日は隼人の車で来ていたから、仕方のないことだった。
「わかった~。
適当に時間潰してる…。」
『おー!悪ぃな!』
言葉と共に、隼人は店を出た。
今日は久々に、隼人とゆっくり買い物をする時間が持てた。
「…どっちが良いと思う?」
気になった2枚のワンピを両手に持ち、鏡の前で自分にあてた。
『…両方買えば?』
「そんなこと言ってないじゃん!」
未だに、あたしが自分の物を隼人に買って貰う事はない。
そこまで頼ろうとは思わなかった。
だからなのか初めは強引に買おうとしていた隼人も、今は何も言わなくなっていた。
『…どっちでも良いじゃん。
てゆーか、何が違うの?』
「何で分かんないの?!
裾の広がりの違いとか、胸の開き具合とかだよ!!」
あたしの言葉に、隼人はため息をついた。
♪~♪~♪
楽しい時間を引き裂いたのは、隼人の仕事用の携帯の音だった。
―ピッ…
『―――ハイ~?
ハァ?これから?
それ、俺じゃないとダメ?
ハイハイ、わかりました~。』
どうやら、呼び出されたらしい。
電話を切った隼人は、申し訳なさそうにあたしに向き直る。
『ちーちゃん、ちょっとごめん!
すぐだから、行ってくるわ!
ちーちゃん買い物してろよ!
終わったらまた戻ってくるから!』
今日は隼人の車で来ていたから、仕方のないことだった。
「わかった~。
適当に時間潰してる…。」
『おー!悪ぃな!』
言葉と共に、隼人は店を出た。