粉雪
『ハァ?一緒にオッサン騙した仲だろ?』


そして、ニヤリと笑って。


『忘れたわけじゃないっしょ?』


「―――ッ!」


その言葉に、唇を噛み締めた。



『…ここで会ったのも何かの縁だし、また昔みたいに仲良くやろうぜ?』


「―――ッ!」


肩を組んできた男の言葉に、吐きそうになる。


忘れたい過去が蘇ってきて。


声を上げたいはずなのに、何も言えない。


あたしは体が固まってしまったみたいに、その場所から逃げることも、

手足を動かすことさえも出来なかった。



『何の話だよ~?』


隣の男がニヤついて聞いてきた。


まるであたしを囲むように、両隣に座る。



『昔さぁ、こいつ、援交してたんだよ!
でも、俺と知り合ってからは、美人局に転身~♪
二人で荒稼ぎって訳だったの!(笑)』


「―――ッ!」


まるで自慢するように、ロン毛は大声で言う。


その場所に居た人は横目でこちらを伺って。


唇を噛み締めたあたしは、俯くことしか出来なくて。



『マジ~?!
お姉さん、俺にも一発ヤらせろよ!(笑)』


『ダメ~!
俺が先だろ~!(笑)』


二人の男が、顔を近づけてくる。


心臓の音は早くて、そして怖いと思った。



「やめて!!
いい加減にしてよ!!」


振り払うように耳を塞ぎ、立ち上がった。


気持ち悪くて吐きそうで、嫌悪感さえ抱いて。


だけど男達はまるで楽しむように、そんなあたしを舐め回すように見る。



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