粉雪
『…俺はいっつも、ちーちゃんに甘えてるだろ?
ホントは自分の気持ちより先に、女守るのが普通なのにな。
マジで俺、どーしよーもねぇわ…。』


「…そんなことないよ、隼人…。
あたしも、隼人と居たいから…。」



ホントの隼人は、凄く弱い人間なんだ。


あたしはただ、隼人を独りには出来なかった。


自分のことより先に、隼人を守りたかった。




『…何があっても、ちーちゃんだけは守るから…。
ごめん、ここに居て欲しい…。』


「うん、大丈夫。」


全ての覚悟を決め、力強く頷いた。



隼人の言葉に、嘘はなかった。


隼人は本当に、あたしを守り抜いたもんね。





『ちーちゃん、マツに何もされてない…?』


あたしを押し倒し、隼人は不安そうに聞いてきた。



「―――ャ!
…されるわけ…ないじゃん…!」


『…ホントの事言うと、そっちのが心配だった…。』


「―――ッ!
…馬鹿じゃん…!
アァ!…あたしは、隼人の…だよ?」


一番奥を突かれながら、声を上げた。



『…うん、そうだね。
ちーちゃん、マジで愛してるから…!』


「―――ッヤ!!」


そして隼人は、全てを吐き出した。


弱音なんて吐かないけど、本当はいつも吐き出してるんだ。


怖いから、あたしを抱いてるって。


ちゃんとわかってるから。





< 189 / 287 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop