粉雪
―コンコン!

「…何…?」


翌朝、ドアをノックする音で目が覚めた。


不審に思い、隼人を揺すった。



「…隼人…誰か来た…!」


『ハァ~?新聞の勧誘だろ?
断っときゃ良いじゃん…。』


寝惚けまなこの隼人は、布団を被り直して。


だけど、そんなわけがない。



「朝の6時だよ?!
そんなわけないじゃん!!」


『…マジ?
ヤベェかも…。』


一気に顔つきが変わった隼人に、緊張が走って。


次第にあたしの心臓の音は、早さを増すのがわかる。



『…ちーちゃんは、絶対出てくるなよ?
俺が行くから…!』


「…わかった。」


立ち上がった隼人は、ゆっくりと玄関に向かった。



―ガチャ…

『…どちらさん?』


『警察だ!本田賢治、本名、小林隼人!
ちょっと、話聞かせてもらうぞ…?』


「―――ッ!」


一瞬にして、部屋中に緊張が走る。



『ハァ?
オッサン、何言ってんだ?』


煙草を咥え、隼人は捜査員らしき男を睨み付けた。



『…女も一緒に居ることはわかってるんだぞ?!
確か…酒井千里…だったな?』


『…だから?』


『どけ!!』


隼人を突き飛ばし、捜査員達は部屋の中に押し入って来て。


瞬間、捕らえるようににあたしの腕を捕まえる。



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