粉雪
『俺にはちーちゃんしかいない!!
ちーちゃんが全てなんだよ!!』
“わかってるだろ?”と隼人は、悲しい目を向けた。
…またこれだ…。
いつもいつも、あたしは隼人の前で
“物分りの良い女”を演じ続けなきゃいけないんだ。
「わかるわけないじゃん!!
何をわかれって言うの?!」
他の女に言った“愛してる”が嘘なら、
あたしに言った言葉だって真実には聞こえない。
隼人のやってることなんて何も理解出来ない、理解したいとも思わない。
『あとちょっとだから!!
あとちょっとで、全部が終わるから!!』
そして隼人は、唇を噛み締めた。
『…それまでは、何も聞かないし、何も言わないで欲しい。
俺は絶対、ちーちゃんのとこに帰ってくるから!!』
抱きしめられたって、全然喜べない。
ただ隼人のことを、気持ちが悪いとしか感じなくて。
「勝手なこと言わないでよ!!
じゃあ、他の女のトコに行くの、黙って見過ごせって言うの?!
そんなの、出来る訳ないよ!!」
突き飛ばした隼人は、フラフラと後ずさるようにあたしから離れて。
顔を俯かせ、その拳を握り締めた。
『…ごめん…。
でも、今の俺にはそれだけしか言えない…。』
「何であたしを捨てないの?!
傍に居て欲しいなら、全部話してよ!!
あたしが毎日、どんな気持ちだったかわかる?!」
今までずっと言えなかった言葉が、濁流となって流れ出る。
あたしの心も隼人への気持ちも、全てが決壊してしまったみたい。
『…ごめん…。
でも今は、何も言えない。
ちーちゃんへの気持ちは、何も変わってないから…。』
あたしの腕を掴み隼人は、懇願するように言ってきた。
「いい加減にしてよ!!」
だけどその腕を振り払いあたしは、逃げるように足を踏み出した。
ちーちゃんが全てなんだよ!!』
“わかってるだろ?”と隼人は、悲しい目を向けた。
…またこれだ…。
いつもいつも、あたしは隼人の前で
“物分りの良い女”を演じ続けなきゃいけないんだ。
「わかるわけないじゃん!!
何をわかれって言うの?!」
他の女に言った“愛してる”が嘘なら、
あたしに言った言葉だって真実には聞こえない。
隼人のやってることなんて何も理解出来ない、理解したいとも思わない。
『あとちょっとだから!!
あとちょっとで、全部が終わるから!!』
そして隼人は、唇を噛み締めた。
『…それまでは、何も聞かないし、何も言わないで欲しい。
俺は絶対、ちーちゃんのとこに帰ってくるから!!』
抱きしめられたって、全然喜べない。
ただ隼人のことを、気持ちが悪いとしか感じなくて。
「勝手なこと言わないでよ!!
じゃあ、他の女のトコに行くの、黙って見過ごせって言うの?!
そんなの、出来る訳ないよ!!」
突き飛ばした隼人は、フラフラと後ずさるようにあたしから離れて。
顔を俯かせ、その拳を握り締めた。
『…ごめん…。
でも、今の俺にはそれだけしか言えない…。』
「何であたしを捨てないの?!
傍に居て欲しいなら、全部話してよ!!
あたしが毎日、どんな気持ちだったかわかる?!」
今までずっと言えなかった言葉が、濁流となって流れ出る。
あたしの心も隼人への気持ちも、全てが決壊してしまったみたい。
『…ごめん…。
でも今は、何も言えない。
ちーちゃんへの気持ちは、何も変わってないから…。』
あたしの腕を掴み隼人は、懇願するように言ってきた。
「いい加減にしてよ!!」
だけどその腕を振り払いあたしは、逃げるように足を踏み出した。