粉雪
“高速乗る前に、コンビニで飲みもんとか買って行こ!”


そう言うと、高速のインターの手前にあるコンビニに入った。



『ちーちゃんの所為で、煙草なくなるの早ぇよ!(笑)』


「…イッパイ買っときなよ。
あたしが吸うから。」


他人事の様に言いながら、店内に足を進める。


自分の煙草代ほど勿体無いものはない。


それに、隼人のセブンスターに慣れて、自分のが軽く感じてしまっていた。



『ハイハイ(笑)
てゆーか、お菓子いる?』


「トッポ買って。」


隼人はあたしの持っていたオレンジジュースを当たり前の様に持ち、

あたしの言った通りにお菓子のコーナーに向かった。


そんな行動にも、あたしの胸はときめかない。







『―――ハイ、ちーちゃんの分な?』


隼人は自分のジュースを抜き取って、コンビニの袋をあたしに渡してきた。


中を見ると、リクエストのお菓子以外にも、色々なお菓子が入っていた。



「…何で、トッポ二つもあるの?」


『行き用と帰り用だよ!
ちゃんと、一箱ずつ食えよ?(笑)』


「…遠足かよ。」


だけど、相変わらずこの男は、あたしに優しかった。



『よっしゃー!じゃあ、遠足出発!(笑)』


ナビをセットした隼人は、嬉しそうに声を上げた。



「…ハイハイ、出発ね~。」


仕方なくあたしは、ヤル気なくその声に合わせた。


年上の癖に、まるで子供の様だ。



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