粉雪
―バタン!
どれくらい時間が経ったのだろう、ドアの音で目が覚めた。
『…ごめんな?
起こした?』
あたしに気付いた隼人は、申し訳なさそうに聞いてきた。
「…いや、大丈夫だよ。
終わったの?」
体を起こして髪の毛を直した。
背伸びをすると、体中が軋むように痛い。
『おー!話長くてごめんな?』
「…そうなの?
あれからそんなに経ったんだ。」
時計を見ると、あたしが寝てから1時間近く経っていて。
外を見ると、黒塗りの車の姿は、既になくなっていた。
代わりに広がるのは、真っ暗闇の景色だけ。
「…外、寒かったんじゃない?」
『あははっ!そうなんだって!』
まだうつろな目で投げかけるあたしに、相変わらず隼人は笑顔を向ける。
「…アンタが風邪引かないでね?」
『心配してくれてんの?』
「…違うよ、あたしにうつされたら迷惑なだけ。」
シートを戻してあたしは、煙草を咥えた。
『あははっ!じゃあ、暖めてよ!』
「…やだよ。」
火をつけると、隼人を睨んだ。
体中を駆け巡るニコチンのおかげで、やっとあたしの頭は正常に戻る。
『残念~(笑)
よし、じゃあ山下りて何か食べよ?』
う~んと背伸びをした隼人は、言葉を紡いで。
「…あたし、お寿司食べたい。」
『おっ!良いね!
美味しいトコ知ってるから、そこでいい?』
「…どこでも良いよ。」
家に帰ったら、本当に着信拒否にすることに決めた。
あたしとコイツは、住む世界が違う。
どれくらい時間が経ったのだろう、ドアの音で目が覚めた。
『…ごめんな?
起こした?』
あたしに気付いた隼人は、申し訳なさそうに聞いてきた。
「…いや、大丈夫だよ。
終わったの?」
体を起こして髪の毛を直した。
背伸びをすると、体中が軋むように痛い。
『おー!話長くてごめんな?』
「…そうなの?
あれからそんなに経ったんだ。」
時計を見ると、あたしが寝てから1時間近く経っていて。
外を見ると、黒塗りの車の姿は、既になくなっていた。
代わりに広がるのは、真っ暗闇の景色だけ。
「…外、寒かったんじゃない?」
『あははっ!そうなんだって!』
まだうつろな目で投げかけるあたしに、相変わらず隼人は笑顔を向ける。
「…アンタが風邪引かないでね?」
『心配してくれてんの?』
「…違うよ、あたしにうつされたら迷惑なだけ。」
シートを戻してあたしは、煙草を咥えた。
『あははっ!じゃあ、暖めてよ!』
「…やだよ。」
火をつけると、隼人を睨んだ。
体中を駆け巡るニコチンのおかげで、やっとあたしの頭は正常に戻る。
『残念~(笑)
よし、じゃあ山下りて何か食べよ?』
う~んと背伸びをした隼人は、言葉を紡いで。
「…あたし、お寿司食べたい。」
『おっ!良いね!
美味しいトコ知ってるから、そこでいい?』
「…どこでも良いよ。」
家に帰ったら、本当に着信拒否にすることに決めた。
あたしとコイツは、住む世界が違う。