粉雪
『―――ちーちゃん、今日は飲みに行こう!』
「…何で?」
多分、仕事が成功したのだろう。
『金が入ったんだよ!
使えるねぇ、中国人♪』
「―――ッ!」
だけどあたしは、精一杯で笑顔を向ける。
「…そっか、良かったね。」
身分証を偽造し、消費者金融で限度額イッパイまで借りて、踏み倒す。
隼人の仕事は、いつもこんなカンジだ。
正直あたしは、そんなお金で騒ぎたいなんて思うことは出来なかった。
♪~♪~♪
また、仕事用が鳴った。
―ピッ…
『―――ハイ。
え~?マジっすか?
ポンプあるんす?
了解っす!グラム5で買います!』
今度はきっと、覚醒剤の話だろう。
“ポンプ”は注射器のこと。
ポンプがあれば、高く売れるらしい。
『…ごめん、ちーちゃん…。
出なきゃだわ~。
シャブ取りに行くから。』
電話を切るなり隼人は、両手の平を合わせてこちらに向ける。
「…そっか、残念だね…。」
飲みに行く話がなくなったとしても、
仕事に出かけることに、喜ぶことは出来なかった。
だけどあたしは、何も言えないから。
「…気をつけてね…。」
『おう!なるべく早く帰るから!』
隼人の背中を見送りながら、笑顔を作った。
一人取り残された部屋で、あたしは膝を抱えた。
こんな仕事続けて欲しい訳じゃない。
隼人のことが好きだから、説得したいのに。
なのに、好きだからこそ、何も言えなかった。
「…何で?」
多分、仕事が成功したのだろう。
『金が入ったんだよ!
使えるねぇ、中国人♪』
「―――ッ!」
だけどあたしは、精一杯で笑顔を向ける。
「…そっか、良かったね。」
身分証を偽造し、消費者金融で限度額イッパイまで借りて、踏み倒す。
隼人の仕事は、いつもこんなカンジだ。
正直あたしは、そんなお金で騒ぎたいなんて思うことは出来なかった。
♪~♪~♪
また、仕事用が鳴った。
―ピッ…
『―――ハイ。
え~?マジっすか?
ポンプあるんす?
了解っす!グラム5で買います!』
今度はきっと、覚醒剤の話だろう。
“ポンプ”は注射器のこと。
ポンプがあれば、高く売れるらしい。
『…ごめん、ちーちゃん…。
出なきゃだわ~。
シャブ取りに行くから。』
電話を切るなり隼人は、両手の平を合わせてこちらに向ける。
「…そっか、残念だね…。」
飲みに行く話がなくなったとしても、
仕事に出かけることに、喜ぶことは出来なかった。
だけどあたしは、何も言えないから。
「…気をつけてね…。」
『おう!なるべく早く帰るから!』
隼人の背中を見送りながら、笑顔を作った。
一人取り残された部屋で、あたしは膝を抱えた。
こんな仕事続けて欲しい訳じゃない。
隼人のことが好きだから、説得したいのに。
なのに、好きだからこそ、何も言えなかった。