粉雪
「…仕事、辞めようよ…。」
『―――ッ!』
それは、あたしが初めて口にした言葉だった。
瞬間、驚いたように目を見開いた隼人は、逸らすようにして視線を外す。
『…ごめんな…。
それは、出来ないから…。』
「―――ッ!」
分かっていたはずなのに、改めて言われると、涙が出そうになる。
唇を噛み締めて、俯くことしか出来なかった。
だけど振り払うようにして、あたしは声を上げる。
「殺されそうになったんだよ?!
そこまでして、何でこの仕事続けるの?!」
頬に触れられた隼人の手は、冷たかった。
まるで愛おしいものを触るように、ゆっくりとあたしの頬を撫でる。
『…俺な、高校行ってねぇんだよ…。
まぁ、元々不良だったし、行くような頭もなかったけど…。』
そして悲しそうに笑い、ゆっくりと、隼人は“過去”を話し始めた。
『…17で、闇金業者の仕事しだした。
それから金貯めて、20で自分で闇金始めた。
獅龍会に伺い立てるようになってから、今みたいなシャブや盗難車流すような“売人”の仕事も始めたんだ。』
取り出した煙草を咥え、天井を仰いで煙を吸った。
そんな隼人の姿を、ただ見つめ続けた。
漂う煙は天井に消え、また次の煙も消える。
『…俺は、こんな仕事しか知らねぇから…。
今更、真っ当堅気になんかなれねぇんだよ。』
「―――ッ!」
初めて聞く隼人の過去に、言葉を失った。
悲しくて、苦しくて。
ただ、あたしの胸を締め付けた。
『―――ッ!』
それは、あたしが初めて口にした言葉だった。
瞬間、驚いたように目を見開いた隼人は、逸らすようにして視線を外す。
『…ごめんな…。
それは、出来ないから…。』
「―――ッ!」
分かっていたはずなのに、改めて言われると、涙が出そうになる。
唇を噛み締めて、俯くことしか出来なかった。
だけど振り払うようにして、あたしは声を上げる。
「殺されそうになったんだよ?!
そこまでして、何でこの仕事続けるの?!」
頬に触れられた隼人の手は、冷たかった。
まるで愛おしいものを触るように、ゆっくりとあたしの頬を撫でる。
『…俺な、高校行ってねぇんだよ…。
まぁ、元々不良だったし、行くような頭もなかったけど…。』
そして悲しそうに笑い、ゆっくりと、隼人は“過去”を話し始めた。
『…17で、闇金業者の仕事しだした。
それから金貯めて、20で自分で闇金始めた。
獅龍会に伺い立てるようになってから、今みたいなシャブや盗難車流すような“売人”の仕事も始めたんだ。』
取り出した煙草を咥え、天井を仰いで煙を吸った。
そんな隼人の姿を、ただ見つめ続けた。
漂う煙は天井に消え、また次の煙も消える。
『…俺は、こんな仕事しか知らねぇから…。
今更、真っ当堅気になんかなれねぇんだよ。』
「―――ッ!」
初めて聞く隼人の過去に、言葉を失った。
悲しくて、苦しくて。
ただ、あたしの胸を締め付けた。