粉雪
諦めてため息をつき、言葉を続けた。


「…ついでだから言うけど、あたし一応高校生なんだよね。」


『ハァ?!マジ??』


あたしの言葉に、男は目を丸くして驚いていた。


その顔を睨み付け、口を開く。



「…何か問題でもあんの?」


『いやいや、化粧濃すぎてわかんなかった!
女ってすげぇな!(笑)』


男は、あたしの顔をまじまじと見つめながら煙草を咥えた。


わざと目線の高さを合わせるように顔を傾けられ、唇を噛み締める。



「…アンタ、馬鹿にしてんの?」


『いや、褒めてます。』



どこら辺が?


言おうと思ったが、止めといた。


何だかこの男に、振り回されている気さえする。



『え?じゃあ、お前いくつ?』


「…17だよ、高3。
アンタこそ、いくつだよ。」


相変わらず睨み付けるあたしに、男は口角を上げる。



『俺は23だよ。』


「…何だ、オッサンじゃん。」


『あははっ!うるせぇよ!(笑)』


あたしの嫌味は、簡単に笑って流された。


そして男はまた指を差し、聞いてくる。




『つーか、お前、名前何だっけ?
千春?千夏?千秋?千冬…は、ねぇな(笑)』


「どれでもないし!
千里だっつーの!」


『そう、ソレ!
じゃあ、“ちーちゃん”だ!(笑)』



…ちーちゃん?


って、あたしのことかよ!



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