粉雪
―ガチャ…
『ただいま~!』
「―――ッ!」
瞬間、目を見開いた。
「おかえり!」
予想より早い帰宅に、検査薬を急いでクッションの下に隠して、隼人に笑顔を向けた。
打ち鳴らす心臓の音は、隼人に聞こえていないだろうか。
作った笑顔は、隼人に何も気付かれないだろうか。
そんなことばかりが気になって。
『ちーちゃん、何食うか決めた?
超急いで帰ってきたんだけど!(笑)』
何も知らずに笑っている隼人に、胸が締め付けられた。
「ごめんっ!
考えてなかった…!」
慌てて立ち上がり、隼人の元に駆け寄った。
―カサッ…
「―――ッ!」
ゆっくりと振り返ると、検査薬が足元に転がっていた。
立ち上がった拍子に、落ちたんだろう。
だけどその瞬間、心臓が止まったのかと思った。
目を見開き、何も言葉が出ない。
『…何、それ…』
「―――ッ!」
声を詰まらせる隼人に、ゆっくりと顔を向けた。
泳ぐ目の焦点はどこに定めればいいか分からず、
隼人の顔色ばかりを気にしてしまう。
「…違うの!
あたしのじゃなくて…!」
言葉を並べようにも、何も出てこなくて。
次第に曇る隼人の顔が、ただ怖かった。
『ただいま~!』
「―――ッ!」
瞬間、目を見開いた。
「おかえり!」
予想より早い帰宅に、検査薬を急いでクッションの下に隠して、隼人に笑顔を向けた。
打ち鳴らす心臓の音は、隼人に聞こえていないだろうか。
作った笑顔は、隼人に何も気付かれないだろうか。
そんなことばかりが気になって。
『ちーちゃん、何食うか決めた?
超急いで帰ってきたんだけど!(笑)』
何も知らずに笑っている隼人に、胸が締め付けられた。
「ごめんっ!
考えてなかった…!」
慌てて立ち上がり、隼人の元に駆け寄った。
―カサッ…
「―――ッ!」
ゆっくりと振り返ると、検査薬が足元に転がっていた。
立ち上がった拍子に、落ちたんだろう。
だけどその瞬間、心臓が止まったのかと思った。
目を見開き、何も言葉が出ない。
『…何、それ…』
「―――ッ!」
声を詰まらせる隼人に、ゆっくりと顔を向けた。
泳ぐ目の焦点はどこに定めればいいか分からず、
隼人の顔色ばかりを気にしてしまう。
「…違うの!
あたしのじゃなくて…!」
言葉を並べようにも、何も出てこなくて。
次第に曇る隼人の顔が、ただ怖かった。