化け猫山
狐火が、腰を下ろした。
狐火『そなたの名は?』
弦『野々宮 弦と申します!!』
弦は、頭を下げたまま、大きな声で名乗った。
狐火『ほぅ…』
狐火は、扇子で口を隠した。
弦は、少し頭を上げて、狐火を見た。
紅い簾で、はっきりとは見えないが、笑っている様な表情を浮かべている事は、分かった。
その顔は、
まるで………
狐が笑っている様な、不気味な笑みだった―

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